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MS Optical 25mmf1.1(trial lens) on Lumix GF1

Lens Data

Lens Unit

Lens Photo

設計・製作 2009
発売 計画中止
レンズタイプ ゾナー

Designed  2009
Sales  Plan abolished
Lens Type  Sonnar

確認中
under confirmation

Lens Impression
レンズ改造で世界的に有名は宮崎氏の主宰するMS-Optical R&Dが計画した「マイクロ3/4」専用の大口径標準レンズ「25mmf1.1」の試作品です。
残念なことに、このレンズ開発計画は試作段階で、氏の満足するレンズ性能が得られないことが判明したために、現在は中止されています。今回は氏の特別な許可をいただき、作例を紹介させていただきます。

まずレンズ外観ですが、レンズ単体ではまるでUFOを思わせるような台形のシンプルな形に好感が持てます。その中心にはf1.1という明るさを誇るかのような大きなフロントレンズが輝きます。一方で、このシンプルな外観のため、絞り・フォーカスリングなどの使い勝手は今ひとつです。無論製品化に当たってはさらに工夫される予定であったと氏は言っておりました。さて、GF1に装着すると、その素晴らしい一体感に驚きます。個人的感想ですが、GF1の現時点での純正標準パンケーキ20mmレンズの数倍上を行くフィット感だと思います。このLUMIX GF1及びG1には、他にもXenon 25mmf0.95や、SOM Berthiot Cinor 25mmf0.95(黒レンズ)など、非常にデザイン的にマッチするレンズがいくつか存在しますが、このレンズとの一体感はその上を行っていると思われます。

さて、レンズの描写ですが、特徴をいくつか箇条書きします。
  @周辺光量が不足傾向です。特に絞った時に四隅が欠ける傾向が顕著ですが、それ以外でも中心部と周辺部の明るさには差があります。
  Aピントあわせはかなり難しいですが、中心部はシャープです。
  B中心部を僅か外れたところから、徐々にコマ収差が発生し、周辺ではかなり強く出ています。これがハイライト部分の滲み感を強くしているようです。
  C非点収差は作例からはあまり目立ちません。従ってぐるぐるボケは少ないようです。
私の保有する他のオールドレンズから見ると、作例を見ても十分な描写をしてくれておりますが、やはり近代レンズの基準では量産化には厳しいのでしょうか。マイクロ3/4マウントの開発は最近まで投売り状態であったCマウントレンズに脚光を浴びせました。そのせいかCマウントの大口径レンズは異常ともいえる価格で取引されています。氏の今後の更なる改良により、十分に高性能で大口径のマイクロ3/4レンズが世に出てくることを切に希望したいと思います。

Photos with MS 25mmf1.1  

2009
Oxford Street
(オックスフォード通り)

オックスフォード通りはロンドンでも最も人手の多い通りですが、11月上旬からすでにクリスマス・イルミネーションが始まっています。
2-4枚目は1枚目の作例の部分拡大です。2枚目の中心部の女性は低速度(1/15秒)でのスナップにも関わらずシャープにでています。一方3-4枚目の周辺部の画像では光源のコマ収差による流れがはっきりと見えます。これを見て思い出すのが、25mmf1.5のKino-Plasmatですが、勿論両者のレンズ構成は全く異なります。6-7枚目も同様に5枚目作例の部分拡大です。
私自身はこの写り方は全く嫌いではありません。周辺光量の低下はソフトで簡単に補正できますし、むしろそのままでも私のようなスナップ系が多い人間にはむしろ好都合とも思えます。
勿論この画像を新型レンズとしてどうかと問われれば別の判断になるのも当然だとは思います。


2009
Asakusa
(浅草)

この浅草でもスナップはほとんどf4.0程度に絞っています。画像の2,3枚目は、1枚目の部分拡大です。画面中心で捉えた女性の描写はかなりシャープだと思います。それは2枚目の拡大画像からも判断できます。一方で、3枚目の周辺画像にはコマ収差だと思われる画像の流れが発生しています。それ以外の作例でもやはり周辺光量の不足はやや目立つようです。勿論撮影目的と被写体によっては、より浮かび上がらせる効果が発生することも事実ですので、あながちそれが悪いこととは言いきれません。